あんずは意外と栄養の多い食材。「β-カロテン」などの栄養成分に恵まれた「あんずの可能性」が注目されています。

あんずには、体内でビタミンAの働きをする「β-カロテン」がとくに多く、必須ミネラルの「カリウム」や酸味成分の「クエン酸・リンゴ酸」も多く含まれています。これらの栄養素はどれも必要不可欠な成分で、あんずの栄養素に科学者の関心が寄せられるようになりました。最近ではあんずの栄養素やその可能性に関する研究も発表されています。

あんずの可能性を支える栄養成分って?あんずの栄養成分、β-カロテン・カリウム・クエン酸・リンゴ酸をご紹介。

β-カロテン…体内でビタミンAに変わる

どんなもの?
植物や動物に含まれる赤・橙・黄などの色素成分はカロテノイドと呼ばれ、ポリフェノールと並ぶ代表的な植物性成分です。そのうち体内でビタミンA作用をするものには、緑黄色野菜に多いα(アルファ)-カロテン・β(ベータ)-カロテン、またみかんなどに多いクリプトキサンチンがありますが、とくにビタミンA作用の強いものが「β-カロテン」です。
あんずのほかに多く含む食べ物は?
あんずの可食部100g中のβ-カロテン当量(ビタミンA換算値)は生で約1,500μg、「干しあんずで3倍以上」の約5,000μgもあります。あんず以外で多く含むのは、にんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類、スイカなどの果物です。なお、β-カロテンは食材や調理方法によって吸収率が大きく異なり、油脂と一緒に摂ると吸収率がよいといわれています。
どれくらい摂ればいいの?
「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、ビタミンAの推奨量を、18~49歳で男性750μgRE/日・女性600μgRE/日(RE=レチノール当量)としています。国民健康・栄養調査によると、日本人はビタミンAの6~7割を緑黄色野菜や果物のβ-カロテンで摂っているとか。緑黄色野菜や果物が不足しないよう、普段から十分に注意したいものです。なお、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、緑黄色野菜を1日120g摂取することを国民の目標としています。

カリウム…欠かせないミネラル

どんなもの?
「カリウム」は私たちが生きていくのに欠かせないミネラルのひとつで、体内ではそのほとんどが細胞内液に存在しています。なお、近年の研究によってカリウムの働きが明らかになり、摂取量を増やすことが推奨されるようになりました。
あんずのほかに多く含む食べ物は?
あんずの可食部100g中に含まれるカリウムの量は約200mgですが、カリウムはほとんどの細胞中に存在し、広く食品一般にも含まれています。特に多く含まれているのは、バナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜類、さつまいもなどの芋類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類です。
どれくらい摂ればいいの?
「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、カリウムの目安量が18~49歳で男性2,000mg/日、女性1,600mg/日。国民健康・栄養調査結果によると、カリウムの摂取量は平均でほぼ「目安量」程度を摂れていますが、食事抜きや野菜・果物嫌いの人では摂取量が不足しがちなので、できるだけ多めに摂取することが望ましいでしょう。

クエン酸・リンゴ酸…スッキリさわやかリフレッシュ

どんなもの?
【クエン酸】
スポーツの後などにレモンをかじると、なんとなく体がスッキリします。その秘密はクエン酸。お酢、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、梅干などの酸味成分です。
【リンゴ酸】
リンゴに豊富な有機酸の一種で、甘酸っぱさの基。多くの場合はクエン酸と一緒に存在し、リンゴ以外にも多くの野菜や果物に含まれています。
あんずのほかに多く含む食べ物は?
【クエン酸】
柑橘類などに多く含まれている有機酸の一種で、昔からレモンや梅干し、黒酢などの酸っぱさ成分として知られています。
【リンゴ酸】
リンゴ酸は、野菜や果実、梅干し、リンゴ、黒酢などに含まれる有機酸の一種。リンゴの酸味は、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸成分が影響しているといわれています。
どれくらい摂ればいいの?
【クエン酸】
一般的には1日1~3g、疲労時は3~5g摂るのが標準的とされていますが、1回にたくさん摂るより、1日3~4回に分けて摂る方が効果的といわれています。

その他、注意事項…種の中の成分は専門家の指導を受けて

昔からの漢方成分について
アンズの種の中にある杏仁(「きょうにん」、菓子・料理では「あんにん」)は、古くから漢方薬として使われてきました。但し杏仁の成分アミグダリンには毒性があるので、利用する場合は専門家の指導を受ける必要があります。

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